自分の話を聴いてくれる場は貴重だ
2026.7.9(木)朝
自分の話を聴いてくれる場は貴重だ。
日頃 、自分の中で何千何万という独り言をつぶやいていて、自分でどうしていこうか独り言の中から選別して、意思と行動を決めている。その決定を辿るプロセスでは、葛藤や迷いの 中で納得し切れていない決定も多い。日々多くの選択の中で、一つずつに時間を掛けて決定していたら、それだけで身動きが取れずに一日が終わってしまうかもしれない。また、押し寄せる膨大な仕事が積むに積まれ、自身だけでなく、周囲に対する、後工程に対する影響を考慮すると、悩みつつも抱える事象を解決することが多いのではないだろうか。
私はコンサルタントや講師という業について、人や組織の問題解決や変化挑戦の応援支援をしている。また、コーチとして組織で働く人々の葛藤や悩みをお聴きし、その人が悩みの中で選択肢が複数あることに氣附き、自己決定する支援もしている。悩みをお聴きしていると、其処には表面的には仕事の事象が語られているが、一つずつの内実を見ていくと 、人間観や人生観、過去の痛みが聴こえてきて、苦しみを生み出す源に見える処に辿り着くことが多い。
我々が日々、自分の眼で見ている事象は事実と言えるものもあれば、当人の価値観や信念によって見ている解釈もある。解釈は当人に都合の良いものに選ばれることが多く、その選択によって出来る限り、不快を選ばない。しかし、そうは思っていても、不快が心地良いパターンになっている人も多く、自ら苦しみを選ぶ人も少なくない。
人間は不自由な生き物である。無限大にある選択肢の中で、本当に数少ない選択肢しか見えておらず、堂々巡りに生きることが多い。では、その状態を解消するには何が必要なのだろうか。
たとえば、今私がこの原稿用紙に書いているように心の中を書き出す内省も一つであるし、カウンセラーやセラピスト、 コーチのように他者に聴いてもらうというのも一つだろう。自己探究する講座に参加するのも一つだろう。何にせよ、自分の内奥に在るものを吐き出すこと、また、一つの事象に対して潜っていくこと、思考を離れて感情や感覚を感じること、これらが有効だと思う。
加えて、そこに大切なことを付け加えるなら、視点が増えて、ハッと氣附かされる問いが重要である、ということだ。視点転換を実現するには、視点転換するための問いと、視点転換に導くプロセスの設計が、切っても切り離せない。また、客観的に己を明らかにする評価(アセスメント)も、大変に有効だ 。
私自身、視点転換を多角的に行えるように 、複数のアセスメントを使って自己理解に努め、また、コーチングを提供する際に、それらのアセスメントを使って、クライアントの方の本当の世界を明らかにし、視点が増え、選択肢が広がる支援をしている。
人間そのもの、人生そのものを明らかにすることは、人に与えられた究極命題だと私は思っている。私の日々の業を通して、一人でも多くの人が選択することの可能性、視点が増えることでより善い方向に進める割合を 、微力ながら増やしていきたいと思う。
岡村拓朗


